ワーホリのHow toとかは書いていません。しょうもないことを書き留めている日記みたいなもの。

タイタニックの世界を疑似体験

クルージングといえば、お金持ちばかりが沢山いてシャンパン片手にお食事したりする…そういうぼんやりとしたイメージを抱いていた。先に言っておくと私は乗り物全般があまり好きではなくて、特に大型バスが1番苦手だ。数時間にわたって逃げ場のない密室の中で揺られ続けて…出来ればなるべく避けたい。

そんな私がバスよりも揺れるであろう船に乗るなんてあまり考えたことがなかった。しかも何日も。そこで食べたり飲んだりして楽しいの…?と。ただ、クルージングに行くことを決めたのは、オーストラリアのワーホリ2年目の友達が、最後の思い出つくりとしてクルージングに行きたい!という熱い思いがあったことと、意外にもオーストラリアのクルージングが日本に比べてとても安かったからだ。今回参加したP&Oクルーズという会社主催のクルーズは、いくつかある会社の中ではカジュアルでリーズナブルらしい。日本だと2泊3日で10〜30万は軽くいく。それに対してオーストラリアでは、10日間で部屋のランクにもよるが約1000〜1800ドル(8万〜15万)。これには部屋代、4レストランの食事代(好きなレストランを選べる)、ショーなどのイベント代を含む。

クルージングはバヌアツ共和国と、天国に1番近い島と言われるニューカレドニアの2カ国のうちの5つの島を巡るというプランだった。ちなみにバッチリ酔い止め薬と酔い止めバンドを買った。(バンドは両手首の酔い止めのツボを押してくれるバンドで、とにかくダサい。しかも数日間は間違って裏返しにつけていたから効果すらなかった。)

 

クルージングに行く話を周りの友人にすると、意外にも行ったことのある人が多いことに驚く。シェアメイトのブラジル人やインドネシア人やコロンビア人。みんなの感想をまとめると、cruise is amazing!らしい。期待が募る。

船の中ではほぼ毎日パーティがあるという情報を得て私達は戸惑った。特に3日以上のプランになると、カクテルパーティ、ホワイトパーティ、ブラックパーティなどがあるらしいのでフォーマルな服や靴が必須らしいということ。最低3着は用意すべき、らしい。私達の場合は10日間だったので、それに加えてGATSBYパーティ、Back to schoolパーティなんてのもあった。

パーティって何?一体何をどこまで揃える必要があるのだろう?張り切りすぎ?ギャッツビーって何?などと議論を交わしながら流石に全ては揃えられなかったものの、あり合わせで色々揃えるのは、それはそれで楽しかった。知人の結婚式に参加したこともなく、自分のためにドレスを選ぶことは卒業式くらいしかなかったので、わくわくした。portmansというお店は手に届く値段ながら見栄えのいいドレスがあり、よく25〜30%オフのセールをしている。美しい店員さんに「cruise用のドレスを探している」と言うとノリノリで見繕ってくれて、それがまあセンスがよくてウキウキしてしまった。

肝心のクルージングはそれはもう、大げさかもしれないけど夢の中にいるくらい充実していた。前日の夜になると、翌日のパーティの内容や、様々な催しのタイムスケジュールが載った船内新聞が配られて、みんなで明日はこれしようあれしようと話し合う。

船内ではまったりしたり、映画やショーやライブを見たり、レストランで食事をしたりダンスレッスンを受けたりジムで運動したりする。夜になるとクラブに行って踊る。

10日間ともなると、生活リズムが似ている者同士が顔見知りになる。2000人くらいの乗客がいる船なのに、本当にこんなにも会うのかってくらい遭遇する。何が楽しいかって、人間観察が楽しい。イケメンなお兄さんと渋いお父さんのお二人と仲良くなったのだけど、最後の数日にはイケメンなお兄さんの隣にステキな女性がいたりとか、毎日クラブに来るお爺さんお婆さんのご夫婦が仲良くしてくれて一緒にクラブで踊ったり、朝ごはんを食べたりとか。深夜3時のクラブ終わりに、そのご夫婦が声をかけてくれて、レストランにコーヒーを飲みに行ってぜひ今度うちに泊まりにきてねとお誘いしていただいたりとか、なんだかそんな状況がおかしくって不思議だった。

 


クルージングは人生最高の贅沢だなと思いながら、終わった後のなんとも言えない寂しさがあった。もうクルージングが終わって1ヶ月。時が経てば経つほど、あれは夢だったんじゃないかと思う。